「ほとんどの人は、祖父から譲り受けたそのままの状態を保ちたいと望みます」
デザインの掘り出し物を読者に教えることで有名になったジャーナリストにとって、新しいチェアを買いに行くことは簡単なことでした。ではローリッヒは、父親のラウンジチェアをどうしたのでしょうか?ローリッヒが娘のモニカ・モレナールにチェアを譲ることを提案すると、娘は喜んでその申し出を受けました。「ママの部屋でチェアを目にし、テレビを見るときは座って私は育ちました。だからそのチェアは、自分の子ども時代とつながっているのです」モレナールは言います。そう決まると、ローリッヒはすぐにショッピングモードになり、モニカとその家族のためにチェアを修理してくれる会社を探し始めました。そのチェアの保証期間は既に過ぎていましたが、ハーマンミラーが修理のためのコーディネートをしてくれることをローリッヒは知りました。
ジュリー・デントンによれば、ヴィンテージの670sと671s(チェア&オットマンのオリジナル製品番号)の修理依頼は、実はよくあることなのだそうです。実際、Return for Repair (RFR) Product Coordinatorの仕事の一環として、1999年以来、こうしたチェアを15,000脚以上修理してきました。
「ほとんどの人は、祖父から譲り受けたそのままの状態を保ちたいと望みます」デントンが語ります。「ヴィンテージ家具なので、可能な限りオリジナルの工法に近い方法で修繕するようにしています」例えば、デントンは異なる時代に製作されたチェアに適切に合うように、様々なルータ用固定具を使用します。